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 NPO法人ミニ知識 全6回

その1 「NPO法人の現状」 (掲載:第3号 平成26年5月号)
 昨年11月にかがり火は特定非営利活動法人(NPO)になりました。NPO法人とは何かを数回に分けて考えてみたいと思います。
まずはNPO法人の現状について。
 特定非営利活動促進法が平成10年に施行されて、NPO法人が生まれました。現在までに6万社近くが誕生していますが、全部が育っているわけではない。1万社が解散または取消しになり、現在5万社ほどです。うち活動しているのは半分くらいと言われています。
 さらに、設立当初の予定通りにうまくいっているのはその20分の1(1000社あまり)くらいではないかという人もいます。
 NPO法人の設立は容易です。所轄庁に書類を申請し、書類に不備がなければ認証(問題なしと証明されること)されます。それをもって法務局に登記すればNPO法人になれます。書類審査は中身の審査ではなく、書類が整っているかどうかです。
 全国で約5万件(解散・取消しを除く)が申請され、不認証になったのは約800件(1.6%)、岐阜県では申請752件、不認証は2件(0.3%)です(平成26年2月末)。申請すればほとんどが認証されます。
 ところが解散や取消しになったのは、約1万社(17.0%)にもなります(岐阜県は11.0%)。
 まさに生むは易く、育てるのが大変です。

 

その2 「NPO法人の社会からの信用」 (掲載:第4号 平成26年7月号)
 任意団体がNPO法人の認証を取得する目的は何か?その理由はいくつかあると思いますが、一つは法人格が取得できること、そして大きな理由は、社会の信用が得られることでしょう。法人格は認証されて、法務局に登記すれば得られますが、後者はNPO法人になったから「信用がある」とはなりません。社会の信用を得るには努力が必要です。
 法人格のメリットについては今後考えることにして、ここでは社会の信用がどうしたら得られるかを考えてみます。
 NPO法人は、一般の法人のような主務官庁の指導による管理ではなく、市民への情報公開による管理です。そのため毎年、事業年度が終わると、3カ月以内に事業報告書等を所轄庁(岐阜県庁環境生活部環境生活政策課)に提出をする義務があります。前年度の事業報告書や活動計算書など6通です。そしてこれら提出された報告書は閲覧できます(過去3年分)し、コピー(法律用語では謄写)することもできます。閲覧できる場所は所轄庁です。また報告書類その法人事務所に3年間備え置いて、閲覧できるようにしなければなりません。
 これらの書類の提出義務や備え置きことは法律や条例(特別非営利活動促進法、同施行条例)で規定されています。
 このように事業報告書等をきちんと提出することにより、事業内容や財政の健全性が知られ、信用が増すことになります。一方、事業報告書等が3年以上提出されないと認証取り消しの対象になります。

 

その3 「事業報告書等提出」 (掲載:第5号 平成26年9月号)
 前回は、NPO法人が社会の信用を得るためには、毎年、事業報告書等をきちんと出すことが大切だと述べました。今回は、皆さんに知ってもらうため、その事業報告書の内容については少し詳しく書きます。
 岐阜県環境生活部環境生活政策課発行の「特定非営利活動促進法に係わる諸手続きの手引き①」という冊子があります。112ページあります。その第3章「法人の管理・運営について」に提出すべき報告書およびその記載内容について書かれています。前回、報告書は6通と書きましたが、提出するのは表紙を入れて7通です。
 まず 1.「事業報告書等提出書」です。これが表紙です。内容は、法人の所在地・法人名・代表者を書き、法律の規定により前事業年度の事業報告書等を提出する旨を書きます。
 次に2.「事業報告書」です。定款に記した事業について、一つ一つ記します。事業の実施日時・場所・かかわった人数・対象者とその人数・費用について記します。
 次が3.「活動計算書」です。これは活動をおこなった収支決算書です。経常収益(収入)・経常費用(支出)および経常外の収支(経常外とは、事業以外の収支でたとえば固定資産を買ったとか、売ったとかです。)を記します。特に費用については事業費・管理費に分け、さらに事業費は人件費とその他経費に分け、さらにそれぞれを細かく分けて記入します。その他経費ならば会議費とか旅費交通費とかです(科目名はわんさとある)。ここに記すのは、個別の事業についてではなく、各事業の集計を記します。個別の事業の経常収支・費用については別紙(事業別損益の状況)に記して添付します。
​ 今回はここまで、次回続きを載せます。
 

その4 「事業報告書等提出2」 (掲載:第6号 平成26年11月号)
 前回の事業報告書の内容の続きです。
 3.「活動計算書」には活動全部の集計を記載します。これは前回述べました。
 全部を集計するには個々の活動の収支を作らなければなりません。事業(活動、行事)ごとに収支を集計した表を作ります。これを「事業別損益の状況」として別紙添付します。法人にとってはこれが重要で(そのため前回と重複記載しました)、いわゆるどんぶり勘定ではないことを示します。
 次に4.「貸借対照表」です。
 これはある時点での法人の財政状態を表します。事業年度の末日の財産状態を記します。すべての資産と負債をあげます。資産は現預金や固定資産など、負債は未払金や借金です。資産から負債を引いたのが正味財産といわれるものです。これはNPO法人の純資産で、マイナスになると債務超過でその団体の財政は破綻状態と判断されます。かがり火では会費などの現金が少し有る程度です。
 5.「財産目録」はある時点での法人が所有する資産と負債を記載したものです。先の「貸借対照表」と似ていますが、もっと細かく書きます。計算書類を補完する資料としての位置づけです。
 以上が主な書類ですが、
あと6.「年間役員名簿」。これは前事業年度の役員名簿です。
7.「社員名簿」。これは前事業年度末日の社員のうち10名以上の名簿です。
 
 以上をそろえて、事業年度終了(かがり火は3月31日)後、各書類2部を、3ヵ月以内に県(環境政策課)に提出しなければなりませ。3年間出さないと認証取り消しになりかねません(注)。


 (注) 法第四十三条・・・又は三年以上にわたって第二十九条(*)の規定による事業報告書等の提出をおこなわないときは、当該特定非営利活動法人の設立の認証を取り消すことができる。

 (*) 法第二十九条   特定非営利活動法人は、都道府県または指定都市の条例で定めるところにより、毎年事業年度一回、事業報告書を所轄庁に提出しなければならない。
 

その5 「その他の報告」 (掲載:第7号 平成27年1月号)
 前回まで、事業報告書の内容を書きました。
 報告しなければならないことは、事業報告書以外にもあります。
 事業報告書は活動年度が終わると3ヵ月以内に提出しなければなりませんが、変更があった場合に届け出るものがあります。役員(理事と監事)が変更した時と定款を変更した時です。
 役員の変更は2週間以内に所轄官庁に届け出る必要があります。変更事項にはいくつかあり、新任・再任・任期満了・死亡・辞任・解任の場合です。役員の住所変更や改名の場合も届けます。新任の場合は就任承諾書や住所を証する書類(住民票)を添えます。
 代表権を有する者(理事長)の変更は、登記(法務局)が必要です。
 定款の変更は少々厄介です。まず社員総会で定款変更の議決をしなければなりません。届出に社員総会の議事録の提出が必要です。さらに項目(目的など10項目)によっては 知事の認証が必要です。認証は不要で届出のみでよい項目もあります。認証には2ヶ月間縦覧し、それから認証(あるいは不認証)の決定が2ヶ月以内に行われます。ですから認証には2~4ヵ月かかります。認証されたら登記(法務局)をします。登記の完了をもって、県に提出します。定款の変更項目によってはもっと細かい規定があります。
 さらに、NPO法人には税金がかかってきます。法人県民税・市民税の均等割という税金です。どちらも2万円ぐらいです。これは免除申請をすると免除されますので、この申請もします。

 

その6 「最終回」 (掲載:第8号 平成27年3月号)
 NPO法人のミニ知識を今回で1年にわたって書いてきました。最後にNPO法人(特定非営利活動法人)について、所轄庁である岐阜県環境生活部環境生活政策課の特定非営利活動促進法に係る諸手続きの手引き①(平成24年4月)から話します。
 NPO法人はNPO法といわれる特定非営利活動促進法(平成23年6月改正)の第二条に規定されるところにより設立された法人です。NPO法は特定非営利活動(これも法第二条別表に掲げられた20の活動(ほとんどの活動が入っていると思う))を行う団体に法人格を与え、ボランティア活動等市民がおこなう自由な社会貢献活動の健全な発展を促進し、公益の増進に寄与することを目的としている。NPO法人の自主性、自立性を尊重する観点から、様々な形で行政の関与を極力抑制しており、設立手続きにおいて認証主義を採用するとともに、NPO法人は自らに関する情報をできる限り公開することによって市民の信頼を得て、市民によって育てられるべきであるとの考えがとられている(内閣府「NPO法の運用方針」について、平成15年3月)。
 法は平成10年3月に成立しました。きっかけは阪神・淡路大震災(平成7年1月)でのボランティア活動です。平成23年6月に改正されて、NPO法人の設立がしやすくなりました。様々な分野(福祉、教育・文化、まちづくり、環境、国際協力など)で、社会の多様化したニーズに応える重要な役割を果たすことが期待されています。
 なお、NPO法以外に「岐阜県特定非営利活動促進法施行条例(平成10年10月公布))、「岐阜県特定非営利活動促進法施行条例施行規則(平成10年11月公布)があります。さらに、岐阜県における「特定非営利活動促進法の運用方針について(岐阜県環境生活部、平成20年4月策定)」があり、NPO法人の適切な運用を確保し、活動の健全な発展を促進しています。


 

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